ステアリングの交換とボスキット講座

☆ ステアリングの交換方法は?
☆ 車検は大丈夫なの?
☆ ボスキットとは?
☆ エアーバッグは?
☆ ステアリングを購入するまえに準備することは?

★ ステアリングの交換方法

Steering-sample
ステアリングの交換には、純正のステアリングを取外し、新しく購入したステアリングを取付ける作業が必要になります。
そのためにはボスキットの選択や、エアーバッグやホーンボタンなどの電気配線処理が必要となり、それなりの専門知識と技術が必要となります。特にエアーバッグ取り付け時の電気配線の取り回しには細心の注意が必要になります。

ステアリングの交換作業は、概ね次の手順で行います。

車種により電気配線の取りまわしは全て異なりますのでご注意下さい。、

@ 車をまっすぐの位置で停止させる。
Fig01
ハンドル交換前に車をまっすぐの12時の位置で停止させ、エンジン・キーを外して、必ずハンドブレーキを掛けます。 必要に応じて輪止めをします。
作業は必ず安全を確かめてから行いましょう。

A バッテリーのターミナルでプラス端子を外す。
Fig02
これはホーン・スイッチやエアーバッグ等の配線処理を行う時の、不慮の電源ショート事故を防ぐためにバッテリ−・ケーブル を電源側で外します。
安全のためバッテリー端子を外して、十分な放電時間を経てから作業を行ってください。
バッテリー端子を外すと時計、ラジオ、コンピューターなどのメモリーが消えることがあります。作業後にはこれらのメモリーの確認、又は再設定が必要です。
車種によっては、一定時間以上バッテリー電源を取外すと車に積載されたコンピュータのリセットが行われたり、メモリーが消えたりして、コンピュータの設定環境が変わって運転できなくなることもありますのでご注意下さい。

B ステアリングとエアーバッグを取外す。
Fig03
純正ステアリングの取外し方法は自動車メーカーの販売店にお聞き下さい。
ステアリングを交換する車に、純正のエアーバッグ(電気式または機械式)、オートクルージングなどの電子制御機能がついている場合は、それらを安全確実に取外す技術が必要になります。特にあらゆるセンサーの解除方法については専門的な電気知識が必要となります。
また、ステアリングをオリジナルの状態に復元して車を手離すときには、オリジナルエアーバッグを大切に保管する必要 があります。
ステアリングの取外しに付いての詳しい説明は、車メーカーの販売店サービス技術員に問い合わせるのが一番確実な方法です。
エアーバッグは暴発する恐れがありますので、絶対に衝撃を与えたり電流を流したりしないで下さい。
車種によっては特殊工具が必要となる場合があります。

C 電気信号処理

市販のステアリングを取付けるときは、エアーバッグ機能が無くなると当時に純正ハンドルに装備してあるオート・クルージングなどの機能もなくなります。このため、ハンドル交換時には必ずそれらの電気配線処理をしなければなりません。 車種や年式、装備されている機能によっては複雑な電気回路の適切な処理が必要になります。自動車メーカーの販売店にご確認下さい。
警告ランプの点灯や点滅を、配線や電球を取り外して解除したりすると、助手席のエアーバッグが正常に作動しなくなる場合があります。

D ボスキットを取付ける。

Fig04
ボスキットにあるマークを12時の位置にしてボスをステアリング・シャフトに取付けます。
ボスの選択は車種によって全て異なります。
正しいボスを選択しないと新しいステアリングは取付けられません。
ボスキットには12時位置(Top)マークが刻印されています。

E ステアリングを取付ける。

ボスキットの12時マークに合わせて、ステアリングを12時の位置に取付けます。
この時、タイヤがまっすぐの方向にあることを再度確認します。

F 配線処理をする。

ホーン・ボタンやその他の配線を処理する。
エアーバッグの取外しによりプリテンショナル・シートベルトが装備されている車輛では、車種によってはシートベルトが正しく作動しない可能性もあります。

G 取外したバッテリー電源を元に戻す。

H 試運転を行う。

路面の平らなところで走行し、ステアリングが12時の位置で直進するかどうかを確認し、さらに左右へのフルターンを行って、ステアリングの操作や回転に支障がないことを確かめます。
ホーンボタンが正しく動作するかどうか確かめます。
念のため他の電気系統の動作をすべて確認します。

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★ 車検について


市販のステアリングには、一般的に直径サイズとして28φから38φなど幅広い各種サイズがあります。たたし、: この程度のサイズでは車検の問題となることはありません。但し、ステアリングのホーン・ボタンにはラッパのマークが付いていることが車検時の必要条件となります。

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★ ボスキットについて


Bosskitご承知の通り、ボスの選択や取り付けにはそれなりの専門知識と技術が必要になります。
ステアリング・ボスは、カークラッシュしたときにドライバーの胸を保護するため、ボスそのものがクラッシュするように軸方向の衝撃力には弱い設計となってます。
したがって、ステアリング・シャフトにボスを取付ける時に締めすぎたりすると割れたりすこともありますので、取扱いには十分な注意が必要です。これらの取付けネジにはその締めつけトルクが規定されているのが一般的です。
また、ボスの選択にはメーカー、車種、年式、附加機能(エアーバッグ、ハイキャス、オートクルージング)などにより細かく仕分けされており、その数はおよそ2000種類とも言われております。車種に適合するボスを選択するにはそれなりの専門知識が必要になります。
また、ある特殊のケースでは純正ハンドルを外してみないとボスの型式番号を特定することができない場合もあります。
ボスを購入する場合には、販売店に車検証と実車をもって買いに行かれることをお薦めします。
また、ラリー走行、サーキット走行に対応したステアリングを市街地走用とは別なステアリングを取付けて走行される場合は、クイック・チェンジ・スペーサーを用いる方法があり、ステアリングを簡単に交換することが出来ます。

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★ エアーバッグについて


純正ハンドルに組込んであるエアーバッグやオートクルージングなどの機能は市販ステアリングの取付けによりその機能が使えなくなります。

@ ステアリングとエアーバッグの取外し

ステアリングを交換する車に、純正ステアリグにエアーバッグがついている場合は、それを取外す技術が必要になります。エアーバッグの暴発を防ぐためには細心の注意が必要です。特に電気式または機械式のエアーバッグのあらゆるセンサーの解除方法については、専門的な電気知識が必要となります。また、お車を手離すときにはオリジナルの状態に復元する必要がありますので、オリジナルのエアーバッグを大切に保管することをお薦めします。

A 電気信号処理

市販のステアリングを取付けるときは、純正ステアリングにくみこまれていたエアーバッグ信号線、オートクルージング制御信号線などの配線には適切な処理が必要となります。機能が無くなると当時に、ハンドル交換時には必ずそれらの電気配線処理をしなければなりません。車種や年式によっては助手席側のセンサーなど連結の解除など複雑な電気回路処理が必要になります。

B 保険契約の更新

保険会社との契約内容によっては、エアーバッグ取り外しに伴う任意保険の契約内容の変更手続をしなければなりません。純正ステアリングにエアーバッグ付きで任意保険に加入し、後日ステアリングの交換と同時にエアーバッグを外した場合は、必ず任意保険の契約内容の確認を行ってください。

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★ ステアリング゙を購入するまえに確認すること


@ 自車に適合するボスキットがあるかどうかを確認する。

A ステアリングの交換をおこなってくれるカー・ショップを確認する。

B エアーバッグに関する任意保険の契約内容を確認する。

C ステアリングを購入し、取付ける。

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エアーバッグ装着車のステアリング交換作業は、方法や手順を誤るとエアーバッグの暴発事故などが発生する危険性があります。上記の説明はその危険性を回避するための説明ではありませんので、ステアリング交換作業によるいかなる物品の破損や身体への負傷など一切の責任を負うものではありません。

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